漫画読みの感想と考察と心の叫び

マンガを読んでの感想と考察とあらすじと心の叫び

「まんがグリム童話 金瓶梅」の感想

邪魔な夫を殺し、自分を見初めたイケメン大富豪、西門の第五夫人に収まった金蓮の愛欲の日々を描いた中国の代表的奇書の漫画化。

美貌とずる賢さを武器に、やりたい放題の金蓮。

口も性格も悪いザ・悪女ですが、ご主人に対しては一途でいじらしく、女としての矜持やある種の侠気もあり、読み進めるうちに彼女のことをどんどん好きになっていきました。

慎ましやかだけど西門の手綱をしっかり握っている第1夫人、守銭奴の第2夫人、富豪の妾としての贅沢に興味を示さず厨房の差配に誇りを持っている第3夫人、占いマニアの第4夫人、心優しい清純派美人、その実淫乱な偽善者で、全てが金蓮と対照的な第6夫人と、他の妻達も金蓮に負けず劣らずキャラ立ちしており、魅力的です。

西門を巡る彼女達の鍔迫り合いや、珍事件の数々はとても面白く、ヘビーな話の多い「まんがグリム童話」シリーズでは珍しく、明るく楽しめる作品です。