進撃の巨人 第23巻 考察と感想(若干ネタバレ)
収録話
- 第91話 海の向こう側
- 第92話 マーレの戦士
- 第93話 闇夜の列車
- 第94話 壁の中の少年
【考察】
第22巻までとは舞台を変え、4年後のマーレ国と中東連合国との戦争から物語は始まる。ここまでに明らかになっている事実の中に、エルディア人が意思を持った巨人になれるのは9体であることがあるが、その内訳がはっきりしたのでまずまとめておきたい。
①始祖の巨人……エレンが所有
②超大型巨人……アルミンが所有
③進撃の巨人……エレンが所有
④女型の巨人……アニが所有
⑤獣の巨人……ジーク
⑥鎧の巨人……ライナー
⑦顎の巨人……ポルコ
⑧車力の巨人……ピーク
⑨壁の巨人???
あれ?
マーレが巨人大戦に勝利した時には九つの巨人の内7体を所有していたわけだから、それは②~⑧で合っているはず。
対してパラディ等に逃れたユミル・フリッツ側は、①始祖の巨人ともう一体いるはずなのだが、作中で登場したそれっぽい巨人は壁の中からチラッと覗いた奴だけだ。
まあ、仮にそれを⑨の壁の巨人とする。(全然内訳がはっきりしたわけじゃなかったw)
第23巻で明らかになったのは、これまでライナー、ベルトルト、アニ等がエルディ島に来た理由が『エルディ島奪還作戦』であったということ。その目的は始祖の巨人の奪還であったということ。
獣の巨人ことジークがエルディ島に現れたのは、作戦の進捗が思わしくなかったから。
ユミルが所有していた巨人は「顎の巨人」で、元々は『エルディ島奪還作戦』の初期メンバーであったマルセル・ガリアードが所有していたということ。
こんなところだろうか。
感想としては、激アツの発想「質量爆弾」を真っ先に取り上げたい。
王家の血を引くジークの特別な能力として、ジークの髄液を投与されたエルディア人は、ジークの合図により巨人化する、というものがある。
それを利用して、ジーク汁を注入済みのエルディア人を飛空艇に載せ、落下傘で振らせて敵要塞上空でジークの叫びにより巨人化させ、要塞を巨人に強襲させる。それが『質量爆弾』だ。
ちなみに、この飛空艇には『質量爆弾』専用の投下器具が設置されておりナイスだ。
この『質量爆弾』の発想は機動戦士ガンダムにおける『コロニー落とし』と通ずる部分があると感じた。
共通のキーワードは「作品世界への没頭」だ。
進撃の巨人の世界観を深く理解すれば、巨人を軍事に利用すること、軍事でどのように利用するか、そこから『質量爆弾』へ繋がったことも納得できる。
この「作品世界への没頭」が生み出すハイコンテキストな表現が、「進撃の巨人」の大きな魅力であり、今後の展開を予想できない理由でもあるのだ。
次巻は2017年12月8日(金)に発売予定。
先の展開を妄想しながら座して待つとしよう。