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進撃の巨人 第22巻 考察と感想①

  • 【収録】
  • 第87話 境界線
  • 第88話 進撃の巨人
  • 第89話 会議
  • 第90話 壁の向こう側へ

【考察と感想】

 グリシャ・イェーガーの記憶後編。前巻までにこの物語の最初の舞台がエルディ島という島であることがわかっている。当初人類の敵=巨人であったが、その発生と全貌がこの22巻によりはっきりと理解できる。

 まとめるとこうだ。

 マーレ国では、収容しているエルディア人の中から、国家反逆を疑われた者を船でエルディア島まで輸送する。エルディア島は30m程度の壁に囲まれており、その壁上でマーレ治安当局の役人に連行されたエルディア人達は、巨人の髄液を投与され壁内に蹴落とされる。巨人化したエルディア人たちは「無垢の巨人」と呼ばれる存在となり、知性を失い、ただただ人を食うためだけに島内を彷徨うことになるのだ。

 この一連の行為は「楽園送り」とよばれ、マーレ国内のエルディア人達に取って最も恐ろしい罰となっている。

 

 本作「進撃の巨人」の冒頭からの謎であった『巨人の発生原因』がこの巻ではっきりと説明された。

 無知性の巨人の正体は、思想犯のエルディア人達をパラディ島で巨人化させて放った

元人間であるということだ。

 ちなみになぜパラディ島に無垢の巨人を放つのかは、パラディ島のエルディア人達(始祖の巨人含む)が自由に島外に出ることがないようにするためだ。つまり見張りというか番犬というか(作中では檻や柵と例えられていた)、むしろ地雷や機雷のような進行を妨害するための兵器として利用していると感じられる。

 

 今回は進撃の巨人第22巻で明らかになった「巨人の謎」に焦点を当て考察してみたが、次回は別の部分にも注目してみようと思う。

 これまではっきりとさせなかったこの物語の大きな仕掛けが説明されている重要な巻であり、かつ作者:諫山創のこの物語への価値観やテーマが垣間見たきがするのは筆者だけだろうか。

(続く)