「キン肉マン 60巻」の感想
長く続いた「完璧始祖編」または「超人閻魔編」とも言うべき長かったシリーズもこの巻で終了となります。
しかしまさか最後の試合で主人公が全く活躍しないとは思ってもみませんでした。
悪魔将軍対ザ・マンこと超人閻魔との試合は、訣別の時から全く変わらない盤石な強さを見せる超人閻魔に対して、悪魔将軍が新たに得た力である硬度ゼロ・スネークボディーやダイアモンドを超える硬度10♯・ロンズデーライトパワーで返すという、まさしく二人のスタンスの違いが現れる結果となりました。
そして最後には悪魔将軍のフィニッシュホールドである地獄の断頭台を超える、神威の断頭台に超人閻魔が倒れます。
敗れた超人閻魔ですが、まだ絶望していなかったかつては完璧始祖の誰かが自分を倒すことを願っていただけになかなか複雑なものがあります。そして超人閻魔に介錯をしようとする悪魔将軍ですが、ここでキン肉マンから待ったがかかります。
これまで自分たちの正義を疑わなかったキン肉マンですが、今回の戦いで相手にも守りたいもの、綱抜きたい信念があり、自分たちの正義が絶対のものではないことを知ります。
しかしそこでキン肉マンは、そんな世の中だからこそ自分の信じているものくらいは貫きたいといい、互いに理解しあうために戦うのだと言います。
典型的なジャンプヒーローから一皮むけたキン肉マンですが、言っていることは実生活でもある意味で当てはまると思います。
自分の価値観や意見が絶対のものではなく相手も尊重するが、それでも自分の意志は大事にするというのは仕事でも何をするにしても大事だと思います。
まさかキン肉マンを読んでこんな学ぶことがあるなどとは思ってもみませんでしたw
結果超人閻魔は死ななかったものの超人墓場と不老不死の停止をすることで今回の戦いに終止符が打たれます。
正義、悪魔、完璧のそれぞれの道に戻った超人たちですが、今後はどのようなシリーズとなるのか、楽しみです。